| 最終更新日: 02/12/2017

フォトリーディングは、役立たない?

←前半から続く

 次の5つの中から、最も重要な箇所を選択できたでしょうか。

  • 本のタイトルやサブタイトル
  • 表紙および裏表紙に書かれた文章
  • 目次
  • 著作の日付
  • 索引

 答えは出ましたね。そうです「目次」です。

長い目次は興味のあるキーワードを拾い出す

 茂木葉子の『Dreamweaver効率的サイトデザイン術』の書籍から、目次の内容をピックアップしてみます。

  • [ローカルサイト]と[リモートサイト]の仕組み
  • つねに拡張子が表示されるようにする
  • パネルやウィンドウをカスタマイズして オリジナルの[ワークスペース]を登録する
  • [挿入]パネルを上側に配置して CS3の[挿入]バーの状態に戻す
  • よく使う挿入ボタンを[お気に入り]に登録して すばやくアクセスできるようにする
  • [デザイン]ビューや[コード]ビューの文字を大きく見やすくする
  • Dreamweaverから外部コードエディターを 直接起動できるようにする
  • Webブラウザーでの見え方を Dreamweaver上でプレビューする
  • モバイルデバイスでの見え方を Dreamweaver上でプレビューする
  • 複数のWebブラウザーでの見え方を [BrowserLab]で確認&比較する
  • Extensionをインストールして Dreamweaverの機能を拡張する
  • インターネットに接続して 最新の拡張機能をチェックする
  • ツールバーに表示する関連ファイルを絞り込む
  • つねに同じ拡張子&ドキュメントタイプ&文字コードで新規ドキュメントを作成する
  • 新規ドキュメント作成時にCSSブロックデザインも自動作成させる
  • 新規ドキュメントをHTML5形式で作成する
  • iPad & iPhone用のドキュメントを効率的に作成する

 

 『Dreamweaver効率的サイトデザイン術』は、全部で8ページの目次があります。ここではその一部しか書いていませんが、この内容だけでも、かなりの情報量になることがわかります。本文を読まなくても、この中から気になるキーワードを拾いだすことができますね。
 キーワードを拾ってみると、自分が何に興味を持っているか、うっすらとわかってくると思います。また、この本の方向性も透けて見えてきますね。

シンプルな目次は自分なりの答えを想像する

 書籍によってはシンプルな目次しかない場合もあります。
 『ワークショップ 偶然をデザインする技術』(中西招一 編:宣伝会議)の目次は以下のようになっています。(第三章まで抜粋)

第一章 「良いワークショップ」をデザインするために
中立変異へアプローチすることの意味

第二章 準備デザインとしてのワークショップ
クリエイティブな発想を得るためのデザインニング

第三章 「個人」が目覚めるワークショップ
ランデヴープロジェクトの現場から  

 シンプルな目次は、かえって想像力を刺激されます。
「中立変異へアプローチすることの意味って、なにがあるかなあ?」、「クリエイティブな発想を得るために、どんなデザイニングならいいのかな?」など、目次を見て著者が書いていそうなことを想像してみます。
 当たる当たらないは、どちらでもOK。重要なのは「想像する」ことにあるのですから。

目次の読みこみに時間をかける

 前ページで「ステップ2は、本文以外をプレビューする」と書きましたが、さらに正確に書きます。
 「ステップ2は、目次をプレビューする」
 おもいきって、そのように割り切っちゃってください。

 ステップ2を目次に絞って時間をかければ、「ステップ3」以降の速読をしたときに頭に入ってくるものが格段に多くなります。

 目次だけを見ていると、本文を確認したくなるときがあります。そのときはぐっとこらえて我慢してください。渇望感が高められます。

 目次の読み込みには比較的じっくりと時間をかけてください。丹念に眺めまわして、長い目次はキーワードを拾い出し、短い目次は想像力を働かせて自分なりの答えを出す、この準備の手順がとても大切です。

 フォトリーディングがうまくいかない場合、この目次探求の手順を簡略化し過ぎてしまうため、ページをぱらぱらとフォトリーディングしたときに、ますます答えを導けなくなってしまうのです。

効率最優先のフォトリーディング

 さまざまな読書法を実践している方は、「あの読書法と近い?」と気付かれたかもしれませんね。そうなのです、時間をかけて目次をじっくり探求すると、松岡正剛氏の「目次読書法」の読み方と近くなっていきます。
 目次読書法は、じつに優れた読書法です。
 現在、かなり愛用させていただいています。文章を味わって目を通す読書法のほうが、日本人には馴染みがあります。本を知りつくした編集者 松岡正剛氏だからこそ、考え出せた方法だとも思います。

 フォトリーディングは、効率だけを最優先に求めたいときに適しているケースが多いです。また、なにかしら制限がかかっているとき。
 図書館から借りた本のように書き込みが一切できないとき、「読みたくないけれど読まねばならない」本や資料を短時間で読んで理解しなければならないとき、そんなときにフォトリーディングは有効です。
 小説をフォトリーディングで読むのは、私はナンセンスだと思っています。小説は目次読書法とマーキング読書法を使って味わいます。要は、ケースバイケースですね。

 フォトリーディングの講座は、本当に高いです。再受講制度があるとはいえど、信じられない高額設定です。
 高額の受講料を支払って受講したのですから、「フォトリーディングは、役立たない」とざっくり切り捨てるのではなく、使いやすい方法に徹底的にアレンジして使い倒していただきたいです。

←前半を読み直す