| 最終更新日:
02/12/2017
[フォトリーディング]という読書法があります。
2003年にフォトリーディングに出会って以来、私もこの読書法を使ってきました。
マインドマップのインストラクターはフォトリーディングのインストラクターを兼ねるケースが多いため、マインドマップ・インストラクターである私も「フォトリーディング命」と誤解されてしまっているようです。
私の場合はあくまでも、「フォトリーディングは読書法の1つ」という立ち位置です。フォトリーディングが適する場面ではフォトリーディングを使いますが、他の読書法のほうが適する場面ではその読書法を使います。フォトリーディングは、読書法の1つにすぎません。
そういう立ち位置であっても、昨今の「フォトリーディングは、役立たない」という意見に、少し残念な気持ちを感じるようになりました。フォトリーディングそのものを誤解している場合も多いので、補足してみようと思います。
「フォトリーディング」とはナニモノ?
フォトリーディングとは何か。
お家元のアルマクリエーションズには、こんなふうに書かれています。
「フォトリーディングとは、毎秒1ページを超えるスピードでページをめくり、
写真を撮るように本の情報を脳に送り込む速読術です」
フォトリーディングの「ステップ3」や「ステップ4」だけを見た場合は、確かに速読術です。
「フォトリーディングは、役立たない」と仰る方々は、いきなり速読のステップから始めてしまい、「本の内容はまるっきり頭に入ってこない、だから、フォトリーディングは役立たない」という結論を導いてしまうようです。
フォトリーディングで重要なのは、速読のステップではありません。重要なのは準備のステップにあります。準備のステップを端折ってしまうと、速読した結果もおもわしいものにはならないのです。
フォトリーディングのステップとは?
フォトリーディングのステップをさらりとおさらいしておきましょう。2001年に発行されたあなたもいままでの10倍速く読める本から抜粋します。
なお、2009年に[新版]あなたもいままでの10倍速く本が読めるが出たようですが、私は購入していません。したがって、やや古い方法であることはあらかじめお断りしておきます。
ステップ1-準備(30秒)
目的を明確にする
ミカン集中法
ステップ2-プレビュー(30秒~8分)
文書を調査する
キーワードを見つける
読書方針を再検討する
ステップ3-フォトリーディング
アファメーション
フォトフォーカスモードで、フォトリーディング
ステップ4-アクティベーション
ポストビュー(5~15分)
熟成
脳への問いかけ(20分~24時間の後)
スーパーリーディングまたはディッピング
マインドマップ
ステップ5-高速リーディング
自分が適当だと思うスピードで初めから終わりまで一気に読み進む
ステップ1やステップ2に「時間をかけてはいけない」
本書では、「ステップ1」や「ステップ2」に「時間をかけてはいけない」と書かれています。
ここに時間をかけてしまうと普通の読み方と同じになってしまう、情報に対する渇望感を生みだすことも目的の1つだから、時間をかけてはいけないというわけです。
情報に対する渇望感という考え方は、脳の構造を利用しています。とても正しいです。
「食べてはいけない」と言われれば俄然食べたくなりますし、「覗いてはいけない」と言われればなんとしてでも覗きたくなります。「してはいけない」と言われると、ますますしたくなるアマノジャク。それが人間の脳です。
「読んではいけない」と言われると、ますます読みたくなる。フォトリーディングは、このエネルギーも利用しています。
うまくいかないのは、「本文を見てしまう」ところにあります。
本文をざっくりプレビューしているときに、いつの間にかじっくり読み始めてしまっていることが多々あります。
本書では「そうした誘惑に負けないよう気をつけてください」と書いてありますが、「誘惑に負けないように」と言われると、負けてしまうのが人間の脳なのです。
文書を調査する箇所
「ステップ2」の文書を調査する箇所として、次の箇所が列挙されています。
- 本のタイトルやサブタイトル
- 表紙および裏表紙に書かれた文章
- 目次
- 著作の日付
- 索引
- 本の場合は最初と最後のページ。その他の書類は章の最初と最後の段落
- 見出し、小見出し、太字部分や傍点が付けられた箇所
- 囲み、図、表、その説明
- 概要、要約、巻末の設問
これらの箇所をまんべんなくチェックしようとすると、たいてい途中からじっくり読み始めてしまっています。誘惑に負けないようにしようと思えば思うほど、負けてしまうんですね、これがまた。
ですので「ステップ2では、本文以外をプレビューする!」と割り切ってしまってください。
とても細かいことを書きますが、「本文をプレビューしない」ではないですよ。「本文以外をプレビューする」です。この違い、もうおわかりですね。
それでは、先ほどの「文書の調査箇所」から、本文以外を抜き出してみます。
- 本のタイトルやサブタイトル
- 表紙および裏表紙に書かれた文章
- 目次
- 著作の日付
- 索引
かなりスッキリしてきましたね。情報量がおもいっきり絞られましたから、渇望感もパワーアップしそうです。
しかし、まだまだ多い。もっと渇望感を高めるべく、最も重要な箇所を絞りこんでしまいましょう。この5つの中で、最も重要なのはどれですか?
5択です。20%の確率です。選んでみてください。
(→後半へ続く)